全国各地で目にするビニールハウス。農業に欠かせない施設です。コメリのお店はもちろん、コメリドットコムでも取り扱っています。でも組み立て方はご存知ですか?
今回はビニールハウスの組み立てをレポートします。
これがセット内容(工具セットは別売)
組み立てに必要な部材・道具を用意します。
長さを測って
まずビニールハウス組み立てのセット※1を一式広げて内容物を確認します。セットには骨組みとなるパイプ類はもちろん、パイプ同士をつなぐジョイントやビニールを押さえる器具も完全に揃っていて、頼もしい限りです。
直角に並べる
郊外でよく見かけるような奥行きの長いハウスを建ててみたい私達ですが、シロウトが一日で組み上げるのはさすがに無理というもの。かなりコンパクトではありますが、間口2間半(4.5m)x 奥行き2間(3.6m)のサイズを組むことにしました。
ベース完成
ちなみに、このサイズは用意してあるセットにはないサイズなので、途中でパイプをカットする必要があるようです。
サイズが決まるとすぐに準備開始!地面にベースとなる『直管パイプ』を置いていくことが最初の作業となります。ここで気をつけるのは、「パイプが直角に接するキチンとした四角形を作る」ということ。高校で習った「三平方の定理」を持ち出して、「直角を構成する辺の2乗を足すと、対辺の長さに等しくなる」というあの理論で四角形を作っていきます。
「まず4.5mのパイプを置くでしょ、これには3mのところで印をつけておくわけ。そしてコンパスで弧を描くように5mの線を引いて・・・」
う~ん、数学の時間がまさかこんな所で役立つと思いませんでした。この段階でゆがんでいるとその後の設計が全てズレてしまうので皆真剣そのものです。
※1:このレポートは基本的にコメリで販売しているハウスセットを使用してと書かれていますが、一部、別売の商品も使用しています。別売の商品は都度、(別売)と表記してあります。
レポート内に登場する別売商品の一覧です。別売商品の購入の参考にして下さい。
コメリ店舗にて別売 | コメリドットコムにて別売掲載 | |
---|---|---|
らせん穴開け機 | ✕ | ✕ |
ビニペット | ○ | ○ |
ビニペットスプリング | ○ | ○ |
ニューパイプジョイント | ○ | ✕ |
コーナージョイント | ○ | ✕ |
パイプジョイント | ○ | ○ |
ハウスバンド | ○ | ✕ |
マイカ取り | ○ | ✕ |
ハウストッパー | ○ | ✕ |
地面が固い!
ベースの四角形が出来上がると、いよいよ柱となる『曲管パイプ(アーチパイプ)』を立てていきます。まず両端に妻面となるアーチを立て、その間に45cm感覚で並べていきます。
掘って打ち込み
今回のビニールハウスの奥行きは3.6mなので、間には7本のアーチが並ぶことになります。アーチは地面に「立て」なければならないので、当然足の部分は地中へ入れ込まなければなりません。今回はアーチパイプの足を30cm入れることにしました。
やっと1本
ここでのコツは「アーチを水平に並べていく」こと。そうしなければ高さが揃わず、横から見ると不揃いなデコボコのハウスになってしまうので注意!
パイプをアーチに
「ロープを上手く使って水平になるようにね。」
ロープで印をつける
ロープを用意し、あらかじめ深さ30cmの穴を掘っておき、その中へアーチパイプを掘り入れ、さらに地面から30cmのところに(つまりアーチパイプ足の先端から60cm)印をつけて四隅のアーチの足をビニールロープで結びます。間に立てるアーチの印がこのロープと重なるように立てていくと、およそ水平が保たれる仕組みですね。
次々アーチを作るが…
ところがこの「パイプ埋め込み」が思わぬ難所となってしまいました。畑と違ってここは芝生。厳寒の福島で半分凍った地面は堅いこと。10cm掘るのも一苦労です。
肩が揃わない...
器具を使ってパイプをねじ込み、力任せに棒でたたいていきます。汗をかくこと一時間、ようやく片面に9本のアーチを立てました。ちょっと不揃い?
とりあえず完成!
左:省力フック 右:端末フック
やわらかな冬の陽射しが芝生の上全体を包むようになってきました。アーチが立ち、だいぶビニールハウスらしい形が見えたところで今度は、並べるようにして立ったアーチ同士を直管でつないでいきます。
T字型に固定
直管パイプの端とアーチパイプをつなぐ役目を果たすのは『端末フック』。直管パイプでも中間の部分は『省力フック』を用います。
「知恵の輪」のような形をしたこれらをどう使うのだろうと戸惑う私達ですが、慣れてしまえば非常に単純明解。
タテ、ヨコをつなげる
筒状になっている部分を直管に通し、洗濯バサミのようなフックを下から上にグルッと回しかけるだけ。直管とアーチパイプの峰の部分をからませるように垂直に固定していきます。
省力フックも、45cm等間隔に並んだアーチパイプと直管パイプをしっかり止めていきます。一度体験すればあとは要領を得てサクサク進める楽しい作業に。
側面にも端末フック
ハウスの「奥行き」を構成する直管パイプは側面にも取り付けます。ここでも取り付け方のアドバイスがあります。
「『省力フック』の針金の端は内側に来るようにね!外側に来るビニールを引っ掛けないように・・。」
引っ掛けないように内側へ
そう、ビニールハウスではパイプを組み立てる際、出っ張りや針金は極力内側へしまい込んでおくのです。外に飛び出していたフックが原因でビニールを傷つけてしまわない配慮が必要と言うことです。相手は破れやすいビニールですから。
これは間違った例
側面にも1本ずつ直管パイプを通した時点で昼のひと休みです。
先ほどまで明るかった空が少しずつ曇りはじめて薄寒い天気になってきました。午後はまず妻面を組み立てることから始めます。
サイズを測りパイプをカット
今回の場合、妻面はタテ4本ヨコ3本のパイプを組み入れます。これらのパイプは間口の広さやアーチの形状によって異なるので、基本的には採寸後にカットしてちょうど良い長さに整えることになります。
(コメリで販売しているハウスセットも必ずパイプのカットが必要となります。)
パイプは細いといっても金属製の丈夫なものなので、グラインダーや切断機を使う必要があります。
ユニバーサルジョイント
カットしたパイプを揃えて、妻面のアーチパイプに固定していきます。両方のパイプは垂直に交わるとは限りません。
ジョイントはこのように使用
そこで登場するのが『ユニバーサルジョイント』。名前の通り、自在に角度をつけて2本パイプを固定させます。
午前中活躍したフックの類は引っ掛けるだけで固定することができましたが、このジョイントは「コ」の字形の止め具を二つ、好きな角度でボルト&ナットで締め上げるという仕組みのもの。
妻面を組み上げる
妻面に組み入れた直管パイプ同士は、省力フックで固定していきます。もちろん、ここでも飛び出た金具は内側に向けて。
妻面を組み上げる
同時並行で、一方の妻面にはパイプ製のドアを取り付けていきます。今回は実際に固定せず、ドアの入る場所だけ空けておく措置が取られます。
どんどん固定していく
順調にきたハウスの組み立てですが、ここでトラブル発生!!なんと、切らなくても良い妻面の直管パイプを切断機で切ってしまったのです。3mほどにカットされたパイプは間口4.5mの幅に届くはずもなく・・・。
これでトラブル解決!
「このジョイント※1を使いましょう」
持ってきてくれたのは、長さ30cmほどで太さは直管パイプより一回り大きなパイプ。二つに分断された直管パイプを、このジョイントの中でつなぎあわせるのです。
※1:ハウスサイズによって別売になる場合があります。
少し大きな省力フック
もちろん、ただ中に通しただけでは固定もされないので、ジョイントの中心で切断面を合わせたら、ジョイントの上から叩いてつぶします。通常のパイプは直径19mmですがこのジョイントは直径22mm。太いジョイントで切断面をカバーしたような感じです。
ジョイントを使うことで太くなったパイプに、これまでの省力フックは合いません。22mm用のやや大きな省力フックで垂直に延びるパイプと固定します。
このレール状の板がビニペット
『ビニペット』
(コメリで販売しているハウスセットではビニペットは別売となります)
知らなければ何の名前なのか見当もつきませんね。環境に優しそうな新素材・・・のようなイメージを持つこの部品は、ビニールハウスを組み上げる上で非常に大きな意味を持つ部品です。
両端を固定して
外見は、奥行きの長さ(3.6m)を持つ巨大な金属製のカーテンレール。「コ」の字形をした断面の口を外側に向けて、ハウスの側面に固定します。両端部は、妻面のアーチパイプにT字形に留めるための『コーナージョイント』(別売)を、中間部は各アーチパイプとクロスして留めるための『パイプジョイント』(別売)を使います。
中間部を留めます
中間の各アーチには、ビニペットより一回り大きな「コ」の字形の金具(ニューパイプジョイント)(別売)を内側から外に向けてかませ、さらに背後から金属製のくさびでググッと固定していきます。
内側からくぐらせる
側面に2本のビニペットを取り付けると、いよいよ骨組みの組み立ても終わり。あとはビニールを掛けるだけの状態まで組みあがったハウスを一歩下がってみると、どうですか?かなりそれらしくなっているのではないでしょうか。
骨組みが完成!
これが今回使うビニール
曇り空、すっかり寒くなってきて「早くビニールを掛けてしまおう」という雰囲気の午後3時。組みあがったハウスにいよいよビニールを掛けます。
全員で覆いかぶせます
両側面とハウス内部に陣取って準備開始。ビニールはお互いにくっつかないように細かな白い粉が吹き付けられています(ちなみにこの粉はデンプン)。
側面からビニールをアーチ伝いにはわせて、ドームに屋根を掛けるがごとくビニールをかぶせていきます。
「ここが中接ぎ。」
このビニールは二つのビニールを張り合わせて作られているため、中心部に『中接ぎ』と呼ばれる縫い目があります。ここでのポイントはこの縫い目。縫い目は、ハウスの中央を貫く「峰」の部分にあたる直管パイプの上をなぞるようにかぶせなければなりません。写真で指を差している部分ですが、わかりますか?
一般的な農業用ビニールは伸ばせるサイズに限界があり、屋根全体をカバーする長さにするには中接ぎを行う必要があります。
(ちなみにコメリでも販売しているポリフィレン系特殊フィルムは、伸縮性に優れているため、中接はありません。)
パッカーで仮止め
作業中、ビニールが風で飛ばされないように「仮止め」をしておきましょう。プラスチック製の青い『パッカー』を、妻面のアーチなどにパカンッ、パカンッと止めていきます。
ビニペットの高さを調節
側面は、組み立ての最後で取り付けた『ビニペット』を利用します。レール状になっている溝にジグザグの形をした『ビニペットスプリング』(コメリで販売しているハウスセットでは別売)をはめ込んでいくのですが、どのように入れるかわかりますか?
ビニペットスプリングを軽快にはめ込む
私は最初、レールの先端からスプリングの先端をスライドさせて滑り込ませていれていくのだと考えていたのですが、それは間違い。
まず、スプリングの先端をジグザグの山1~2つ分だけ、溝に入れます。その後は、手に持った残りのスプリングを上下に振るように、スプリングの山を互い違いに溝にはめ込んでいきます。はめ込む角度に気をつければ、スプリングは驚くほど簡単でリズミカルに溝にはまってゆきます。
終端はしっかり処理
余ったスプリングの先端部はカットします。こうすると針金がむき出しでビニールを傷つけてしまうので、ペンチ等で折り曲げて処理します。
この金具に...
ビニペットで両側面を固定しただけでは弱いので、『マイカ取り』(別売)という黒い樹脂製のバンドで上からビニールを押さえつけます。
マイカ取りを引っかけて
ピンと張って固定
すでにスプリングが収まったビニペットにツメのついた金具を取り付け、ねじれないように気をつけてバンドを向こう側へ渡します。
向こう側ではこんな道具(別売り)と
渡された方は、荷締めのような形のものを使って長さを調整します。最終的には、地面にねじ入れた『らせん杭』に結びつけ、たるみが無いようにピンと張って完了!
らせん杭が活躍
本来はこのあと側面にビニールを巻いていく段階が残されていますが、今回作ったハウスがパイプをカットして出来た変形サイズということで、ピッタリの側面ビニールがありません。
張り終えた!
今回の組み立ては、屋根ビニールを掛けたこの時点で完成ということに相成りました。実作業で約5時間、4人で組んだ成果です。いかがでしょうか?私の個人的感想は“はじめてにしてはまずまず”だと思うのですが・・・。