Fumikoの楽しいガーデニング
Lesson 2 土のはなし - 根っこは呼吸している -

植物は土壌に含まれる酸素を呼吸によって取り入れ、光合成の作用で体内に蓄えられている炭水化物を燃やして、その際に得られるエネルギーを利用して養分や水分を吸収しています。栽培されている植物のほとんどは、根から養分や水分を吸収して身体を維持したり、成長したり、花を咲かせたりしています。つまり、植物にとっては生命活動を続ける上で、根が健全に活動をしていることがとても大切なわけです。
そういえば人間にも根のチャクラというのがあって、やはり生命活動を維持するための基本的な役割を果たしていますから同じですね。
水栽培というのもありますが、ほとんどの場合植物の住まいといえるのがこの土です。根が元気に活動できるように、住み心地のよい家づくりをしてあげたいものですね。
でも、よい土ってどんな土なんでしょうか?
今回はよい土の条件について勉強してみましょう。
1.物理性のよい土であること
物理性のよい土は団粒構造。
通気性・保水性・排水性のバランスが取れている。
通気性・保水性・排水性のバランスが取れている。

したがって、土の中に酸素を供給するための隙間がたくさんある事が必要で、しかも植物に必要な水分を長く保っている事も大切な条件の一つです。要するに良い土とは、通気性、水はけがよく、しかも水もちのよい土であるということになります。ではどんな構造の土が、良い物理性をもつのでしょうか?
土はもともと非常に細かい単粒と、その単粒が集まってできた団粒の部分からなります。団粒の多い土は隙間がたくさんあって新鮮な空気や水が通りやすく、植物の生育に好都合です。 そういうよい土を団粒構造の土といいます。自然界では、微生物やミミズが土の団粒構造をつくっています。ふかふかの土はこういった土です。
2.化学性のよい土であること
化学性のよい土は保肥性、肥効性にすぐれ、酸度(PH値)が適当である
よい土には保肥性、つまり肥料分を貯えることが出来る性質があるんですね。保肥性が低いと折角与えた肥料が雨や水やりなどによってすぐに流れてしまい、植物に使われません。そしてその肥料が植物に有効に取り入れられること、肥効性に優れていることも大切です。

さらに植物の成長を妨げたり、病気の原因になるような病原菌や害虫、雑草の種などが混ざっていない清潔な土であることも大切です。土の化学性は、施肥などによってある程度カバーできますし、堆肥や腐葉土などの有機物を加えることで物理性もよくすることができます。
3.土の種類
一般に出回っている土にもいろいろありますね。土の種類を見て見ましょう。
- 赤玉土:
火山灰土の赤土をふるって粒上にしたもので弱酸性。通気性、保水性、排水性にすぐれる。大粒、中粒、小粒とあり、5号鉢(15cm)以下では小粒、それ以上では中粒といわれるが、使っているうちに崩れてくるので小さい鉢でも中粒がよいという意見も。 - 黒土:
関東地方に分布する火山灰度で、有機分や肥料分を含むがリン酸が乏しい。通常腐葉土やピートモス、砂などを配合して使用。 - 鹿沼土:
栃木県の鹿沼地方でとれる土で、うすい黄色をした粒上の酸性土。軽石質の火山砂礫。通気性や保水性に優れる。水にぬれると色が濃くなるので水遣りのタイミングがわかりやすいという利点がある。酸性度が赤玉土より強いのでサツキやツツジ類の基本用土によく使われる。通常粒度が不ぞろいなカタチで市販されているため使用前に細かい土を除くとよい。黒土もそうだが、火山砂礫が風化した土はリン酸を吸収して固定してしまうため、最初は多めに施す必要がある。洋ランや鉢底にも。 - 山砂類:
花崗岩が風化してできたもので、代表的なものに真砂土がある。芝生の目土としてよく利用される。弱酸性で粘土分が多いため保水性はよいが通気性は悪く、基本用土として利用するときは他の改良用土と混合する必要がある。 - 川砂:
灰白色の砂で、日本各地の川べりで見られる。通気性はよいが保水性や保肥性は劣る。主にサボテンなどの栽培に利用されるが、通気性をよくするための改良用土としても使われる。 - ミズゴケ:
湿地帯のミズゴケを乾燥したもの。保水性に優れる。主にランの栽培に。乾燥しやすいハンギングバスケットの化粧用にも。 欧米で見られる鶯色の化粧用コケは主にスパニッシュモスで、ミズゴケの仲間ではない。
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