
Lesson 10
園路 - 玄関までのアプローチ
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アプローチガーデンというのは公共の場とプライベートな場をつなぐものです。英国では単にフロントガーデンという括りで呼んでいますが、この部分は、外の人たちに住み手のパーソナリティーが伝わる場所でもありますね。第一印象というのはとても大切です。アプローチガーデンは住み手のテイストだけでなく、家のスタイルやイメージも表すことになります。それと同時に周辺環境との調和ということにも思いを馳せる必要が出てくるのがこの部分でしょう。
英国で最も美しいコッツウォルド地方にあるこのコテージアプローチのイメージを、たとえば日本の小さなスペースで作ることは現実問題として難しいですね。
下の3枚の写真は、英国はロンドンのチェルシーの例です。ここでは都市部のテラスハウスのような小さなスペースを、オーナーが自分たちのイメージでガーデンアプローチを作っているわけですが、写真からもオーナーのパーソナリティーや街区のイメージ作りに貢献している様子、隣近所とのよい関係などが見て取れますね。

このシーンに感心したのは、隣り合うテラスハウスのオーナー同士は仲良しで、境界に塀を設けず、仲良く植えたコンテナが間においてあったからです。コンテナの植物は左右対称的に植えられており、後ろクライミングプランツは壁に取り付けられたトレリスへと誘引されています。
このトピックを3つのカテゴリーに分けました。
・ストレートアプローチ
・カーブのアプローチ
・階段
・Straight Approachストレートアプローチ
たとえ小さなスペースでも、ガーデン部分を作ることはできます。このアプローチでは玄関へ向かうアプローチの脇に細い立ち上げ花壇を作っています。幅55cm、土の深さは約40cmほどでしょうか。長いアプローチなので途中にコルジリネを入れたコンテナを3箇所ほど設けてあります。
園路脇に植物が植えてあるというのは望ましい形ですが、場所が無い場合は鉢植えの植物を置くだけでも違いますね。
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ガーデニングコンテスト作品
写真をクリックすると筆者から作品へのコメントが見られます |
・Curved Approach カーブのアプローチ
アプローチがカーブになっていると、小さなスペースが大きく見えたり、面白い植栽スペースができたりします。カーブのアプローチを作るときに、一番大きな要素はその素材でしょう。左の写真では四角いコンクリートペーパーなどをカットすることなく、カーブを作っています(コンクリート製品はカットするとあまり見栄えがよくありません)し、目地幅も大体同じです。エッジの素材ともうまくフィットしていますね。
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ガーデニングコンテスト作品
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・Steps階段
階段を設けることで植物好きの人には新たな可能性を増やすことができます。階段はそれぞれがコンテナのディスプレイスペースとなりますし、階段状になることからぐっと立体的な演出が可能です。また階段を設けることで両脇に立ち上げた花壇ができたりしますね。
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ガーデニングコンテスト作品
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アプローチを引き立てるためのヒント
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自分のテイストを加え、歓迎する気持ちを表現すること。 |
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近隣のイメージと調和するかどうかを考慮すること。 |
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平らでも、立ち上げでも、アプローチの両側はすばらしいガーデンスペースとなる。 |
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カーブのアプローチの場合は素材選びに注意。 |
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階段状のアプローチは、立体的な植物のディスプレイエリアに。 |
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